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地球へ・・・二次創作パラレル小説部屋。 青爺と鬼軍曹の二人がうふふあははな幸せを感じて欲しいだけです。



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懲りずに学園パロもどき。年上ジョミ(無職ではないが何かあやしい職業)と年下ブル(普通の高校生をやってもらいたかった。ブルーは本当、自分の幸せを見つけて生きてほしい。いや、テラへは彼自身の思いだから、それはそれで幸せなのか・・・。テラへのブルーの思いは何かもう、言葉に出来ないや)








第2話「検査」


 つつがなく、多少の騒ぎもあったけれど、式は終わりへ向けて始まった。新入生達が並ぶ列に、まんまと入り込んだブルーは、進んでいく時の中で、歪みひとつない襟の赤い蝶にほっと一息、自分の機嫌が良い事を今更ながらに悟った。
 中庭での身投げ事件は、目撃者が少数であった事と、当の本人がまるきり他人事のような顔で講堂内へ入ってしまった事により、何やら中庭で事件があったらしい、と囁かれる噂程度で収まっている。その事にも気分を良くしたブルーは、なぜならこの調子だとおそらく、ジョミーの耳には入らないだろうからだ。何があったんだろうね、と隣に座る少年に話しかけた。突然、話を振られた彼はびっくりしてこちらを見たが、ブルーと目が合うと優しげな雰囲気をその両眼に湛え、穏やかに微笑んだ。それから小声で自己紹介をし、君はと尋ねても、彼は口で答える代わりに、ブルーの手をとり、指で文字を書く。くすぐったいと笑うと、彼はもう一度同じように指を動かし、にっこり笑った。ああ、とそこで得心する。
「僕は、ブルー。」
 再度、ブルーは彼の手をとり、名前を言った。
 目を見開いた後、リオと名乗った少年は嬉しそうにブルー、と指で名を呼ぶ。
「そうだよ、リオ。これからよろしく。」
 初めてにして、とても素晴らしい友人を得たと、ブルーはゆるりと微笑んだ。
 ふと、そこでジョミーの事が気にかかる。
 本当に彼は、式に来てくれているのだろうか。一人、姿の若いジョミーが保護者席に座るなんて、目立って仕方ないだろうに。
 身内びいきを差し引いたとしても、ジョミーを見て大抵の人間が振り返るといっても言い過ぎではない。そんな容姿の持ち主である彼の、何より真っ直ぐ前を見つめる瞳は、特に魅力的だと思う。
意志の強さがそのまま形となった緑の目は、一度見たら忘れられない。
彼は、自分にとってちょっとした自慢だった。
 彼はその職業柄、町の人たちがほとんと彼の事を知っているし、頼りにもしている。そんな彼が自分の身内なのだと胸を張って言える幸せは、これといったらない。トォニィではないけれど、ジョミーが一番、と密かに思っているのは誰にも内緒だ。
まあ、トォニィの場合は、口を開けばジョミー、ジョミー。僕のグラン・パ、なのだから、聞いてるこちらとしては、溜まったものではないのだが。
 何度、ジョミーは祖父ではないと言い聞かせても聞かない弟を、そういえば彼も今日は新学期だったかと思う。兄も今日から新学年だったなと思い返せば、今夜はご馳走かもしれない、と腹がきゅ、と鳴った。ついでに言えば、ジョミーは料理も上手だ。元々が器用なのだろう、きっと。それに経験が積み重ねられるのだから、素晴らしい結果になるのは当たり前かもしれない。
 
 
 

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