地球へ・・・二次創作パラレル小説部屋。
青爺と鬼軍曹の二人がうふふあははな幸せを感じて欲しいだけです。
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平行世界・表
「ブルーさんのやりたい放題・パラレルワールドでこんばんは。」
「ソルジャー・ブルー、あなたはまた!何度言ったら分かるんですか。ここで水遊びはなさらないよう、以前あれ程、申し上げたはずです。」
はた、と意識がしっかりして見つけた顔は、よく見慣れた長き知己のもの。浅黒い肌が特徴的な彼は、そういえばジョミーと同じ金の髪をしていたとぼんやり思う。
「ああ、ハーレイ。あの時の君は、可愛かったね。」
必死になってしまって。ちょっと足が攣って溺れかけただけじゃないか。それなのに、大事なんかにしてしまうから。シャングリラ中に、君の悲鳴が木霊して、フィシスにはあの後、随分と怒られてしまったんだぞ。知っているか。彼女は怒るととても恐いんだ。
沈めていた足をゆっくり引き上げ、指先で水面を蹴り上げる。
「ブルー!」
けれども、ジョミーの髪の色はもっと美しくて若々しい。
落ちついた風合いを持つ友の髪も嫌いではないけれど、自分はジョミーの髪を好む。
「ブルー?」
「ウィリアム、腰が抜けてしまったんだ。抱き上げてくれ。」
「年甲斐もなく、水遊び等なさるから・・・・。」
「何、ちょっとした息抜きだよ。」
腕をあげ、ほらほら、と相手を招いてにっこり笑う。
「・・・今回だけですよ、」
「次もよろしく頼む。」
肩と膝裏に腕を回し、掛け声一つ出さずに頼もしい友は、自分をいとも簡単に抱き上げた。さらりと水から引き抜かれるその時、僅かな痛みと水の離れる寂しさに、そっと吐息をはく。足先からは名残とばかりに、雫が滴り落ちる。ハーレイの足元に散らばる黒いシミが、青の間の床を点々と濡らしていた。
「・・・直に、乾いて消えてしまうさ。」
永遠に広がるとも思えてしまう、青の間の水面をじ、と見つめ、ブルーが小さく呟いた。あまりに胸が締め付けられるようなその声音に、ハーレイは自分達の長であり、良き友である、時には弟とも兄とも息子とも思えてしまう少年の姿をした彼の、真っ青に浮かびあがる銀の髪を見下ろした。
「ハーレイ、信じているよ。」
「どうなさいました。」
「直、獅子の目覚めが訪れる。」
「獅子?」
「金の髪をなびかせて、強く、気高い心を持った清き獅子。彼は美しいよ。」
「あなたがご執心のジョミー、ですか。」
「そうだ。彼は素晴らしい戦士になる。」
「あなた以上だとおっしゃいますか。」
「ああ、そうだ。僕以上だ。」
「私はあなたを信頼するまでだ。」
「僕と、彼の推薦だからね。間違いはない。」
「彼とは?」
「違う世界のジョミーだ。ウィリアム、君にだけ特別に教えてあげるよ。今後、もし僕が彼に会いにいけなくなった時、君が僕の名代として彼への言伝を。」
「ソルジャー・ブルー。私はいつだってあなたを信頼してきた。しかし、あなたに騙され遊ばれるのは一人の友として、断固として拒否する。」
「違うよ。相変わらず君は真面目だな。」
「ブルー。」
「秘密の抜け道は、そこだ。行き方は簡単。身を投じればすぐだ。彼が引き上げてくれる」
「そうでしょうね。すぐに儚げな存在となって、皆に発見されるでしょうね。リオたち、若者らが一丸となって引き上げてくれる事でしょう。」
「冗談ではない。ただし、年に一度。」
「一度すら逝きたくありませんよ。」
「ハーレイ。人の話は聴くものだ。」
「ブルー、あなた、一度だってちゃんと私の話を聴いてくれた事がありますか。思念体ならまだしも実体でジョミーの様子を見に行くのは自殺行為です。即刻、おやめ下さい。私の寿命を縮まらせたいんですか。」
「まったく。冗談が通じない奴はつまらないな。」
「ブルー!!!」
嘘か真か、何れの人が、知る事ぞ。
にまりと紅玉の眼を笑ませ、思うはただ愛しい君の事。
今度は左目も舐め取ってしまおう。
「さぞや、美味いに違いない。」
さて、水面に映る顔は、一体誰の顔であろうか。
そして、おしまい。
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